中学受験の漢字学習で国語を得意に。
大学入試までつながる中学入試。
その視点でお話します。
第1回は漢字の勉強についてです。
漢字を得意にできたら国語の成績は上がります。
その理由は単純です。語彙が増えるから。
ところが、塾でそのことを意識して指導している人は本当に少ないです。
いい先生と呼ばれている人でさえ、ただ漢字テストをやらせ、間違えたら何回か書かせて再テストをする。この程度です。
そんなクラスには、いつまでも漢字の苦手な生徒が残ります。
再テストのたびにその生徒に植えつけられるのは自分は漢字が苦手だという意識。間違いを直しているときに考えるのは、早く帰ること。
結果、漢字をいい加減にやるクセがまたつくことになる。
では、いよいよ本題。
大学入試につながる漢字の学習です。
その狙いはズバリ、語彙を増やすことです。
そのためには、とにかく漢字それぞれの意味を学ぶことです。
もう二度と漢字を何回も書くことはしないでください。
大切なことは漢字それぞれの意味を学ぶこと。
そして、そこから派生させて新たに言葉を学ぶことです。
具体的にみていきます。
まず次の問題を解いてください。
問い 「績」を使った熟語を書けるだけ書いてください。
『大辞泉』に載っている熟語を列挙します。
その際、全ての漢字が小学校で習う漢字は「小)」で示し、
中学校で習う感じが含まれる場合は「中)」に挙げます。
「績」を使う熟語
小)業績・功績・事績・実績・成績・戦績・治績
中)紡績
辞書の意味
①繊維をより合わせて糸を作る。「紡績」
②積み重ねた仕事やその結果。「業績・功績・事績・実績・成績・戦績・治績」
では、続いて問題です。
「積」を使う熟語をいくつ書けますか?
小)積雪・積善・山積・集積・体積・面積・容積・相乗積
中)積載・積弊・堆積・蓄積・沈積・累積・積怨・鬱積
辞書
①積み重ねる。積み重なる。「積載・積雪・積善・積年・積弊/山積・集積・堆積・蓄積・沈積・累積」
②不平などの感情がたまる。「積怨/鬱積」
③広さ・かさ「体積・面積・容積」
④掛け合わせて得た数値「相乗積」
さらに問題です。
「責」を使う熟語をいくつ書けますか?
小)自責・面責・問責・責任・責務・引責・言責・重責・職責・文責
中)詰責
他)譴責・叱責・呵責
辞書
一.セキ
①罪や手落ちなどをとがめる。せめたてる。「詰責・譴責・自責・叱責・面責・問責」
②果たさなければ負い目となる事柄。「責任・責務/引責・言責・重責・職責・文責」
二.シャク
○罪や手落ちをとがめる。「呵責」
こうやって辞書の意味を見ながら熟語を確認するのです。
ノートに写す必要はありません。
見終わったら目をつぶって思い出そうとすればそれで十分です。
こういう勉強を3・4年生の間にできたら最高ですね。
5・6年生でも国語だけ苦手な生徒の場合にはやってもよいかもしれません。
最後に次の問いを解いてください。
次のカタカナを漢字に直しなさい。
問い 皆の前でメンセキされたことは忘れない。
答えは一番下です。
【本日のポイント】
熟語を何度も書くヒマがあったら、国語辞典で漢字を調べよう。
結果として語彙も豊富になり、漢字のミスも減ります。
※漢和辞典だと引くスピードが遅くなります。国語辞典の漢字項目を引くようにしてください。
※辞書は電子辞書やアプリが本当に便利です。漢字を引き、そこに書かれている熟語の意味を簡単に調べられます。
【大学入試への道】
語彙が増えると思考の幅が広がる。
答え 面責