中学入試、最後の3週間をどう過ごすか。
いよいよ首都圏の中学入試が始まりました。
都内と神奈川の2月1日入試へ向けて残り3週間。
最後の3週間の過ごし方で合否は変わります。
ここまで順調に来た生徒は、今までやってきたことをそのまま継続してください。
過去問で合計15点以上とれていて、模試の結果もよければ、合格の可能性はかなり高いです。
合計点の勝負だということを忘れずに目の前の問題に真剣に向き合い続けてください。
さて、今回のブログを読んで欲しいのは、まだ合格確実といえない人です。
でも、確実といえないだけで可能性は十二分にあるのです。
最後の3週間で大きく成長する生徒は毎年何人もいます。
そのうちの一人にお子様をするための具体策を以下に記していきます。
【国語】
国語はコストパフォーマンスが悪いように思うかもしれませんが、それは人によります。
これまで受験者平均点前後にとどまっていた人は、以下の内容を行うだけで10点以上上がることも普通に起こります。
1)記述問題対策
過去問を5年分はやりましょう。
①ノートに設問を書いて、模範解答を写す。
②根拠となる箇所を本文にチェックする。
この作業を通じて、問われた内容に対しての根拠のつかみ方と答えの書き方を学ぶことができます。シンプルですが、最も大切な作業で、確実に力が尽きます。
③自由作文は、模範解答を写した後で、例は自分ものに変えて書いてみる。
例を変えることで、どんな問題が来ても答えを書く勇気を得ることができます。ほとんどの学校は書いたことを評価してくれるので、合格につながることもあるかもしれません。
2)傍線部の説明や理由を問われた選択肢問題対策
傍線部の説明や理由を問われた問題を間違える人の多くは、以下のように考えています。
「この選択肢あっているかな?」
こう考えながら選択肢を見ると、あっている理由を探し始めてしまうのです。
だから、本文に書いてある言葉が書かれている選択肢を安易に選ぶケースが多くなるのです。
では、どうすればよいのでしょうか。
傍線部説明問題の場合は、傍線部と答えとがイコールの関係になります。ですから、以下の通り復習をしてみてください。過去問で間違えていた選択肢はすべて以下のとおり復習をしてみてください。
①傍線部を写す。
②正解の選択肢の文を写す。
③傍線部と正解とで重なる内容に印をつける。間違えた選択肢のどこがまずいのかを把握すること。
例
傍線部 私は毎日のように本を読んでいる。
正解 私は読書が日課のようになっている。
「本を読ん(む)」と「読書」、「毎日のように」と「日課のように」が同じです。
不正解 私は本を読むのがたいへん好きです。
「毎日のように」に当たるものがありません。ここで、この不正解の選択肢を見て「これあっているかな?」と考えると、「たいへん好き」だから「毎日のように」読むんだから、これは正解だと考えてしまうんです。さすがに、これは簡単過ぎますが、大事なことは傍線部の内容が言い換えられているものを選ぶということです。その際、傍線部の要素をすべて含んでいるものを選ぶようにします。
傍線部の理由を問われた問題も説明問題と基本は同じですが、見なければならないものが少し増えます。まず、傍線の理由に当たる部分を本文に探さなければなりません。それが終わったら、あとは同じ要領で行います。すなわち、①傍線と根拠を写す。②選択肢を写す。③根拠と選択肢の重なる点に印をつける。
この復習を通じて考え方を定着させましょう。これで2問を正解にできれば、5点〜10点変わります。
3)傍線部と同じ内容を抜き出す問題対策
ここでお伝えしたいのは、いかに短時間で答えを探すかということです。時間がかかりそうな場合は後回しにする勇気が必要です。
これは、考え方を書いておきます。過去問で実際に確かめてください。もし、ここに書かれている通り解ける場合は、その学校にはうってつけのやり方になります。
〈解法〉
傍線部の前後でヒントを得る。
例題 次の文の「日記」と同じ意味の言葉を抜き出しなさい。
私は子どもの頃、うまくいかないことがあると日記を書いた。
〈考え方〉
「日記」=私が子どもの頃に、うまくいかないことがあると書いたもの
これを意識して探します。
すると、こんな文を発見できたりします。
私は大人になっても、嫌なことがあると反省ノートを書いていた。
「大人になっても」ということは「子どもの頃」もそうだったとわかります。
「うまくいかないことがあると」は「嫌ながことがあると」と重なります。
「日記」も「反省ノート」もともに「書」くものです。
ここまでは、国語で安定して高得点をとれる人以外は是非やってください。
きっといいことがありますよ。
4)国語だけ苦手な生徒
この場合は、毎日15分。長文1題、保護者様と一緒に文章を読んでください。
3)の最後に、「私は大人になっても、嫌なことがあると反省ノートを書いていた」という文を書き、そこで気づけることをメモしました。このレベルでよいので、お子様と一緒に気づけることはないかと考えながら読んでみてください。これで今まで気づけなかった根拠に気づけるようになるはずです。是非、がんばってください。
5)国語の得点力を落とさないようにするための工夫
①漢字は日々触れてください。
②2日に1題は長文にふれてください。やらなくなると力は落ちます。最後までやったことのある問題でよいので、解き続けてください。
【算数】
まだ合格点に足りない生徒は、一点突破です。
入試に出るのにまだ安定していない単元に集中的に取り組みましょう。
例えば、速さや平面図形などを問題集で何問も解くのです。
一通り終わったら、再度間違えた問題だけ解くようにしましょう。
これは本当に力がつきます。
ここからは過去問で何点とれたかではありません。
1問でも多く解ける問題を増やすことが必要です。
【理科・社会】
苦手な生徒は知識の定着につきます。
社会であれば歴史・地理と分かれている薄い問題集を仕上げきってください。
苦手な生徒はそういう基本中の基本が不十分なのです。
薄いもの1冊を仕上げれば、御三家とそれに準ずる学校以外であれば合格点は確実にとれます。
このやり方で1週間で社会を得意教科に変える生徒が毎年出ます。
理科は計算が苦手という生徒は、算数と同様に、そのような問題を徹底すればよいだけです。ただし、4科合計で合格点をとればよいのだということを忘れないでください。無理なことに時間をかけるのは得策ではありません。
お子様が中学生になれば、一緒に勉強するということはほとんどなくなります。
最後の機会です。是非、楽しんでください。
焦りは禁物です。怒りは最悪の結果にしかなりません。
お子様の成長を温かく見守ってあげてください。