「国語を得意に!」〜中学入試応援ブログ〜

中学入試の国語を得意にすること、合格方法についてはお任せください。

中学受験生へ 東大の現代文に挑戦!

東大に挑戦!

 

たった1問ですが、東大の設問を見てみましょう。

【問い】

「自然賛美の抒情詩を作る詩人は、いまや人間の精神の素晴らしさを讃える自己賛美を口にしなければならなくなった」とあるが、なぜそのような事態になるといえるのか。

 

その解説を始める前に例題を2問考えてもらいます。

 

【例題①】

「山田君は天才と言わざるを得なかった」とあるが、なぜそういえるのか。

【答え1】 

他の人がまねのできないことをやっているから。

(本文がない段階での答えなのであっさりとしたものとしています) 

【考え方】

「山田君=天才」という図式が成り立つ説明をすればよいだけです。

「天才」は普通の人にはまねのできない、すぐれた才能を持っている人です。よって、「山田君」がどうすぐれた才能を持っているのかを本文で調べて書いていけばよいということになります。国語の文章題の答えとしては以下のようになることが多いはずです。

【答え2】

山田君は、先生が教えてきた生徒の中で誰も解けなかった問題を簡単に解いたから。

 

では、次の問題を解いてください。

 

【例題②】

「山田君は、いまや天才と言わざるを得なくなった」とあるが、なぜそういえるのか。 

【答え1】

以前は特に目立つことのない子だったが、今は他の人がまねのできないことを次々にやるようになったから。 

【考え方】

例題①との違いは「いまや〜なった」があるかどうかです。

ということは、前は天才と呼ぶにはふさわしくなくて、今は天才と呼ぶことがふさわしいということになります。要するに、前と今との変化を書く必要があるのです。

その上で、「山田君=天才」という図式が成り立つ理由を説明することになります。文章中にこの変化の原因が説明されている場合は、その原因についても書き加えることになります。 

【答え2】

以前は特に目立つことのない子だったが、朝晩のトレーニングを欠かさず行うようになって、運動にしろ勉強にしろ他の人がまねのできないことを次々にやるようになったから。

 

もうおわかりだと思います。

冒頭の東大の問題は、この例題②と全く同じ組み立ての問いなのです

ですから、前と今との違い、書かれているのであれば変化の原因を書いた上で、「自然賛美=人間の精神の素晴らしさを讃える自己賛美」という図式が成り立つ理由を説明すればよいという問いなのです。

 

大事なことは一つです。

答えを書くという作業は、本文の内容をまとめることではありません

設問で要求されている内容を的確に把握した上で、要求されている要素を記述していくことなのです。

だから、設問読解が重要になるのです。

そして、設問を読解する力は本文を読み取る力にもつながるのです。

 

ということで、今日はここまでです。

国語は必ず得意になります。

一緒にがんばりましょう!

 

このブログの解説動画です。

是非、ご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=RV1nGI8gQ1k