国語を得意にする文章の読み方第5回(動画)
〈本文〉
ある年、山がまだ雪でまっ白く野原に新しい草も芽を出さない時、虔十はいきなり田打ちをしていた家の人達の前に走ってきて言いました。
「お母、おらさ杉苗七百本、買ってけろ。」
虔十のおっかさんはきらきらの三本鍬を動かすのをやめてじっと虔十の顔を見て言いました。
「杉苗七百ど、どこさ植えらい。」
「家のうしろの野原さ。」
そのとき虔十の兄さんが言いました。
「虔十、あそごは杉植えでも成長(おが)らないところだ。それより少し田でも打って助(す)けろ。」
虔十はきまり悪そうにもじもじして下を向いてしまいました。
すると虔十のお父さんが向こうで汗をふきながらからだを延ばして
「買ってやれ、買ってやれ。虔十ぁ今まで何一つだて頼んだごとぁ無ぃがったもの。買ってやれ。」と言いましたので虔十のお母さんも安心したように笑いました。
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