「国語を得意に!」〜中学入試応援ブログ〜

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国語が得意になる文章の読み方(第3回その2)

『虔十公園林』の第3回その2です。

 

ここまでの3回をご覧いただいてない方のためにリンクを貼っておきます。

第1回

対比・抽象化、意図的な行動について説明しました。

国語が得意になる文章の読み方。実践編第1回。 - 国語を得意に!(中学入試応援ブログ)

第2回

抽象化、行動からの心情把握について説明しました。

国語が得意になる文章の読み方(第2回) - 国語を得意に!(中学入試応援ブログ)

第3回その1

逆接についての考え方を灘中の入試問題を例にして説明しました。

国語が得意になる文章の読み方(第3回その1) - 国語を得意に!(中学入試応援ブログ)

 

基本的なことを徹底すると「この問題」を通じて「このような問題」を解くことができるようになります。こうやって回を重ねると改めてそのことを強く思います。

まずは「理解」そして「実践」、自分でやってみることです。基本がクセになったとき、みなさま(のお子様)の読解力はみちがえるようなものになっているはずです。

 

では、まいります。

 

〈本文〉

 けれどもあんまり子供らが虔十をばかにして笑うものですから虔十はだんだん笑わないふりをするようになりました。

 

ポイント

1)「けれども」→前回のブログをご覧ください。

2)意図的な行動

3)変化に注目

4)おまけ

 

 

今回は②から話します。

 

②意図的な行動

 意図的な行動とは、何かねらいがあって行った行動です。

「笑わないふりを」したのはなぜか?

 

もちろん、これは答えが直前に書かれているので問題としては誰も間違えないので成り立ちません。

 

基本の徹底というのはどんなときにも気づき、知らない間に考えていたという状態を作ることです。

ですから、今回もあえて考え方を確認します。

 

究極のところは「対比」なんです。

「笑わないフリ」という行動があれば、ふつうの笑うもあるのです。

笑うという行動の代わりに、笑わないフリという行動を選んだ。

その理由を考えるのです。

 

考え方は以下のとおり。

クセにすべきことは、他の可能性と比べること。

①そうしないとどうなるか? 問題点があるはず。

②そうするとどうなるか? もとに戻して答える。

 

①「笑わないフリ」をしないとどうなるか。すなわち、笑っているとどうなるか? もちろん、子供らにばかにして笑うことになります。

②「笑わないフリをする」とどうなるか。子供らがばかにして笑うことがなくなります。

答え 子供らがばかにして笑ってこないようにするため。(23字)

では、問いを少しかえます。本文のことばをなるべく使わずに20字以内で答えてください。

 

答え 子供らにからかわれないようにするため。

語彙を増やすための問いかけでした。

 

3)変化に注目

「なりました」と書かれているので変化していることがわかります。

 

変化に対する対応については以下のブログで丁寧に解説しています。

国語を得意にするためのチャレンジ問題(指導マニュアル付き) - 国語を得意に!(中学入試応援ブログ)

 

変化が会ったら、今と前とを比べる。

これがポイントです。

 

笑なないふりをするようになったのだから、前はしなかったのだ。

こう考えれば良いだけです。

 

そして、変化があった場合はきっかけを考えること。

 

↓ きっかけ

 

この3点を意識することが大切です。

 

前 笑っていた

↓ 何度も子供らがばかにして笑った

今 笑わないふりをするようになった

 

4)おまけ

ところで、なぜ子供らは虔十をばかにしたのでしょうか。

この前のところで本文にはこう書かれていました。

「青ぞらをどこまでも翔けてゆく鷹を見付けてははねあがって手をたたいてみんに知らせました」

虔十は鷹を見付けたことが嬉しくて、思わずみんなに知らせたのです。

もちろん、自然のことが大好きな虔十ですから、みんなに知らせたのは鷹を見付けたとき以外にもあるはずです。

 

いかがでしょう。

 

なぜ、子供らは虔十をばかにしたのでしょうか。

 

第1回のブログ 国語が得意になる文章の読み方。実践編第1回。 - 国語を得意に!(中学入試応援ブログ) の最後ですでに書いたことですが、

私は「読解」は「問い」と「答え」のセットだと考えています。

「答え」を出すためには「問い」がなければ無理なのです。

生徒たちが学ぶべきことは問う力です。

 

問わなければ、今回の読解は生まれなかったはずです。

 

そして、考えるときのコツは、対比と抽象化です。

 

鷹を見付けて喜んで子供らに知らせてきたときにばかにしたのです。

では、何だったらばかにしなかったのでしょうか。

そう考えると、次のことが浮かびやすいのではないでしょうか。

 

「鷹」「雨の中の青い藪」などは子供らにとって、ごく当たり前のことです。

 ふだん見慣れた何でもないもののはずです。

それを見てよろこんでいるのです。

 

あとは自分でまとめてみましょう。

 

今回は以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

国語は必ず得意になります。

がんばりましょう。