国語の成績を上げる「設問を読む力」第2回
問い 「ますます墓穴を掘った」とありますが、どういうことですか。説明しなさい。
前回の続きです。
いよいよ、この問いの解説に入ります。
その前に前回の復習です。
国語は設問だけ見ても情報が少なすぎて答えを出すことができません。
そこで、設問を解くのに必要な情報を正しく得る必要があるのです。
そのためのポイントは2つ。
①不足しているものは何か?
②読みとれるものは何か?
とにかく、どんなときにもこの2つを意識するようにしてください。
この思考に慣れれば、問いかけの精度が上がります。
精度が上がれば、より多くの情報を得た状態で設問を解けるようになります。
是非、取り組んでみてください。
では、問いの解説です。
「ますます墓穴を掘った」という部分に対して情報を得るための問いかけを行います。
不足しているものは何か?
①誰が「墓穴を掘った」のか。
②何が「墓穴を掘」ることなのか。
読みとれるものは何か?
③「ますます」とあるから、すでに「墓穴を掘っ」ていたことがわかる。
これらを意識して本文にもどります。
①誰が「墓穴を掘った」のか。
→筆者
③「ますます」とあるから、すでに「墓穴を掘っ」ていたことがわかる。
→筆者は相手に、中学の時楽しかったかと聞いていた。
②何が「墓穴を掘」ることなのか。
→中学の時の友達に今でも会うかと聞いたこと。
※墓穴を掘る=自分の手で自らを破滅に導く原因を作る
ここまでの流れから
読みとれるものは何か?
①相手にとって、中学時代の話はしてはいけないこと。
不足しているものは何か?
②なぜ、筆者は相手の嫌がることを言ったのか。
③なぜ、中学の時楽しかったかと聞くのが墓穴を掘ることなのか。
④なぜ、中学の時の友達に今でも会うかと聞くことが墓穴を掘ることなのか。
これらを意識して本文にもどります。
①相手にとって、中学時代の話はしてはいけないこと。
→相手は中学時代に、ここ長崎に東京から転校してきた。顔も可愛かったのでいじめられていた。
→筆者は違う中学だったが、同じ学校からきた友達から聞いていた。
②なぜ、筆者は相手の嫌がることを言ったのか。
→自分たちの住んでいる長崎をバカにされたように感じて、相手がいやることを言ってしまった。
③なぜ、中学の時楽しかったかと聞くのが墓穴を掘ることなのか。
→自分の言葉で、予想以上に相手が暗い感じになってしまった。
→予想以上に相手が暗い感じになり、必要以上に傷つけたと思ったから。
そこで、「『ちゅ、中学の時の友達と今でも会う?』慌ててしまって、墓穴を掘った」という流れ。
→ここから、慌ててなければ、この発言はしなかったとわかる。自分にとってよくない結果につながる発言になってしまった。
④なぜ、中学の時の友達に今でも会うかと聞くことが墓穴を掘ることなのか。
→この発言で相手を完全に怒らせることになってしまったから。
以上の内容をまとめてみます。それがそのまま答えになります。
自分たちの住んでいる長崎をバカにされたように感じ、つい聞いてしまった中学時代の話が予想以上に相手を傷つけ慌ててしまった。
そのため、重ねて相手の嫌がる発言をし、結果として完全に怒らせることになってしまったから。
さすがに2月1日の男子最難関校の一つです。
でも、正しい問いかけを行えばゴールにたどりつける素晴らしい問いです。
【本日のポイント】
常にこの2つの問いかけを忘れずに。
不足しているものは何か?
得られるものは何か?
【大学入試への道】
次回は東大の設問を学びます。