国語の大スランプを克服して筑駒に合格!
ある男の子の話ですl。
小4で塾に入って常に成績は最上位。
小6になっても5月までは特に問題なし。
どんな勉強もしっかりこなすまさに優等生タイプの子。
その子の成績が6月・7月とガクンと下がったのです。
国語でどんなに悪くても67を割ったことのなかった子が
なんと偏差値50。しかも2ヶ月連続。
精神的にもきつかったのか、体調面にも影響が出始めました。
6月のテストの後は、どこをどう間違えたか二人で確認。
考え過ぎで選択肢を落としていることを把握しました。
根拠はとれているのに、選択肢の深読みを行っていたのです。
この選択肢はこうも考えられるから、こっちの方がいいかもしれない。
こんなことをしていました。
授業中は抜群の理解を示していたので、しばらくは様子を見ることにしました。
迎えた7月のテスト。
結果は、前回と同様の成績。
とにかく本人とじっくり話しました。
その結果、なんと5月頃から国語への自信を完全に失っていたことを知ったのです。
しかもその原因は授業にあったのです。
「先生の授業を受けていると、いつも本当に簡単な問題だなと思うんです。何度も先生に教わった考え方を使えば解けるのに、ぼくはそれを必ず何問か間違えるんです。」
「そうか、それで自信をなくしていたんだね。」
「自分の考えがどうしても正しいと思えなくて、だから確信を持てていない問題は、自分が最初に思ったのとは違う方を選んでいた気がします。」
まさか私と同じことができないから自分はダメだと責めていたとは。
そして、その思い込みが彼の判断を狂わせ、彼にしては悪い点数をとらせたのです。
私は彼に謝りました。気づいてやれなかったことと私が簡単に解きすぎていたことを。
そのクラスは、5年の後半から麻布と駒場東邦で物語を鍛え、6年に入ってからは桜蔭や灘を行い、より高いレベルへ入れている最中だったのです。
彼はわかっていなかったのでした。
実はどれだけ難しいことをやっているのかが。
彼にとっては解説を聞けばわかる易しい問題だったのです。
真面目だからこそ陥るスランプの原因
1)すべてを完璧にできなければいけないと思う。
2)できない自分を責める。
3)自分の判断に自信が持てなくなる。
ここから本当に大切なことをお伝えします。
スランプをいけないことと捉えた場合、
「完璧にできなくていいんだよ」とか
「もっと気持ちを楽に持ちなよ」とか
彼の心には一切響かない言葉を述べることになるでしょう。
では、スランプをチャンスと捉えた場合はどうなるでしょうか。
彼がこのスランプに入ることができたのは、
高いレベル設定をしていたからです。
ただ残念ながら、そのレベルにはまだ到達できていないのです。
でも、そこで自分を責めたのは、ゴールとのギャップを自分で埋められる差異だと思っていたからなんです。
私は彼にこう聞きました。
「もう自分ができないわけじゃなかったというのはわかったよね。」
「はい。」
「それから、授業でやっていることはよくわかるんだよね。」
「はい。」
「じゃあ、大丈夫。時間の問題だよ。今やっている問題より難しい問題は絶対に出ないので、間違えた問題の考え方は必ず定着させるように。そうすればとんでもない世界に入れるよ。」
彼はこの約束を守りました。
1月のある日、筑駒の過去問を見せに来ました。
しかも3度目です。
「どうした。なぜ、またやったの?」
「一問考え方に自信がない問題があったので」
「偉い! でも、全問解き直す必要はないだろう(笑)」
そして、彼は見事筑波大学附属駒場中に合格。
入試本番で国語は減点された問題もあったでしょうが、ズレた答えは一つも書かずに帰って来ました。詩の答えは感動的でした。小学生がここまで書くのかという実に見事に抽象化された答えでした。
では、最後にスランプになった場合の対応の仕方をまとめて終わります。
スランプは飛躍のチャンス!
スランプを迎えたら勉強方法見直しの合図だと思ってください。
今までのやり方では行き詰まってしまったということです。
見直しのポイント3点。
1)合言葉は「理解」
2)確認は「説明」
3)指標は「行動」
1)合言葉は「理解」
うまくいかなくなっている時は、とにかく問題演習で点をとろうとしてしまいます。
理解できていないままいくら問題を積み重ねても時間がたてば忘れてしまいます。
では、理解はどうやって確認するのか?
2)確認は「説明」
スランプの時期は自信を失っていることが多いです。
そこで実際にお子様に説明させるのです。
理解できていればそのまま問題演習に入ればよくて、
理解できていなければ、どこがわからないかを説明させればよいのです。
その上で一緒に考えてあげたり、塾の先生に質問させたりしてください。
3)指標は「行動」
自信を失っているのですから、問題が解けたかではなく、やったかどうかを指標にしてください。行動をしていれば認める。それを繰り返すのです。結果が出なければ認めてもらえない状態はつらいですよね。やったかどうか、そして工夫したかどうかを見てあげてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
ともにがんばりましょう。
復習方法はこちらも参考にしてください。