「国語を得意に!」〜中学入試応援ブログ〜

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どんな授業をすれば全員をできるようにしてあげられるのか?

塾の教師をやっていろいろな悩みを抱えてきました。

自分がどうやってそれを乗り越えたのか。

その解決策は何だったのかをお伝えすることは同じような悩みを持っている人のお役に立てるのではないかと思って、今回のブログを書きます。

 

悩み①「なぜ、同じことを教えても成果が人によって変わるのか?」すなわち「どんな授業をすれば全員をできるようにしてあげられるのか?」

 

先日『予習シリーズ』を見てしみじみ思い出したことなので、この話からお伝えします。

 

例えば、『予習シリーズ』で「物語・小説の読み方の基本」として、「作者が言いたかったこと」すなわち「主題」を読み取るのに、「主人公が何をきっかけにどう成長・変化したか。この読み取りのプロセスから主題は見えてくる」と書かれています。

何も間違ってはいないし、要点を実に見事に簡潔にまとめてくれています。

 

では、この事柄を生徒が教わったとして何人の生徒ができるようになるのでしょうか。

この一問は理解できたとして次の問題に活かせるのは、もともとできていた生徒だけだ。それが私の実感でした。

 

そこで、私が考えたのは2点。

1)法則は生徒自身に気づかせる。

2)この問題のためにそういう読み方をさせるのではなく、常に同じような読み方をさせなければならない。

 

1点目は、物語の主題についての私の教え方をお伝えして説明します。

 

『桃太郎』のあらすじを25字以内で書いてください。という問題から始めて、作者は何を読者に伝えたかったのかな? と抽象化させます。

その上で、主人公が何をしたかを調べて抽象化とか、主人公が出来事によってどうなったかなどとまとめさせます。

全員が自分で気づける状態に持っていくために工夫をしまくります。

自分自身で気づいたことは、自分で実践できるようになる可能性が高まります。

それが1点目の狙いです。

 

2点目は、『桃太郎』であれば「どんな困難でも協力すれば乗り越えられる」などと抽象化できるようにするためには、テキストに載っている「主人公が何をきっかけにどう成長・変化したか。この読み取りのプロセス」が大事だと100万回言っても意味はないのです。これをやっている限りでは、国語ができる子ができる(ようになる)だけに終わってしまうのです。実際に抽象化の練習をする以外に生徒をできるようにする道はありません。でも、実際に授業でやれる文章は限られている。物語の主題だけを考えさせても仕方ないし。

 

こんなふうにあれこれ考えて出た結論は、とにかく丁寧に文章を読む練習をすることでした。一文一文を丁寧に読むことで、抽象化の練習も対比の練習も接続詞に対する意識の練習も副助詞から別の情報を汲み取る練習も段落相互の関係の読み取りも時間の許すかぎり徹底して行うことにしたのです。

要は一人ひとりのレベルを高めるということです。

 

こお2点を意識した私の授業の実践例です。

・抽象化と意図的な行動について説明しています。

国語が得意になる文章の読み方。実践編第1回。 - 国語を得意に!(中学入試応援ブログ)

・抽象化と心情の記述問題について説明しています。

国語が得意になる文章の読み方(第2回) - 国語を得意に!(中学入試応援ブログ)

・見方を変えて別の情報を得ることを中心に説明しています。

国語を得意にするためのチャレンジ問題(指導マニュアル付き) - 国語を得意に!(中学入試応援ブログ)